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1974年には、現在の福祉制度の基本となっている「生活支援法」が制定された。この法律は、福祉サービスの提供にあたって社会的に不利な条件にある人たちを対象にするのみならず、日常生活が困難になった国民すべてに一元的に対応できるよう従前の母子、障害者、高齢者といったグループ別の対応をやめ、それぞれの関連福祉法を一本化したものである。さらにその特徴として、自治体行政の窓口を一つにしたため、いわゆる住民に密着した福祉行政が行われるようになったのである。すなわち、国が以前行っていた医療保健、障害者福祉政策などの決定権は県と地方自治体に委譲された。県は医療保健を担当し、病院と家庭医に対する権限と責任を有し、また、障害者の入所、通所施設も県の管轄下となったが、障害者の在宅に関しては地方自治体が責任を負うことになった。
人口18万人のオーデンセ市における福祉行政、特に身体障害者政策についてみると、オーデンセ市の行政組織の実権は民選による市議会にある。諸政策の立案は市議会の各分科委員会、例えば障害者福祉政策に関しては福祉委員会で立案され、市議会で審議し決定される。この福祉委員会のもとに、行政機関として市役所内には福祉局があり、福祉局は母子部、障害者部、高齢者部などの下部組織を持っている。 障害者福祉政策の目的は
特に知的障害者政策に関しては地域社会において、知的障害者たちはサブカルチャーを持つグループであることをノーマリゼーションを理解した上で認識する必要がある。
さらに市当局は政策目標達成のために質の良い情報提供、障害者政策向上のための研修、討論会、公聴会などを積極的に行うべきである。当然、障害者に対して最大限の社会資源を活用し、十分な障害者福祉政策を行うことを旨とするが、政策は変化するものであり、新しい非伝統的な試み絶えず行われなければならない。
さて、ノーマリゼーションの実践は、民主主義、ヒューマニズムが進んでいるといわれているデンマークでも、地方分権化が始まった1970年代からであり、特にノーマリゼーション実践の手段としてのインテグレーションは、1980年から85年にかけて知的障害者のグループから行われた。ノーマリゼーションとは「障害者の生活条件を健常者(社会的に不利な条件にない人たち)の生活条件に可能な限り近づける」ということである、別の言葉では「ヒューマニゼーション」と理解し、人間としてなすべき当然なことなのである。
デンマークにおけるノーマリゼーションの実践を子供と大人の場合にわけて紹介する。普通、子供は18歳ころまで親のもとで生活するのであるから、かつては障害ゆえに施設入所を余儀なくされていた子供も親のもとで生活できるようにする。そのためには、
成人の場合は、普通18歳から23歳ごろの間に親離れをするので障害を持った成人も施設入所を避け、グループホーム、ペンション、アパートといったところに居住すべきである。
子供と居住地を別にするということは子離れをするということで障害児を持った親のため?であるため、必要な時点に生活指導員が派遣できる様な支援センターを障害者が点在住する半径約5キロメートル以内のところに設置し、障害者の生活支援を実施する。また、障害当事者が雇用者となってヘルパーを採用し、在宅を可能にしている方法もある。
障害が重いため授産施設に行けない人のためには、デイセンター、デイホームがあり、デイセンターは趣味、娯楽を主体として行われる。要するに、「社会的に不利な条件にある人たちの生活条件を可能な限り社会的に不利な条件ない人たちの生活条件に近づける」ことにより人間が生活している社会であることを証明すること、人間性を追求することがノーマリゼーションであり、それを実現している国がデンマークである。
私は、ノーマリゼーションを提唱し、人間性を追求したN.E.バンクミケルセンが、社会福祉政策に貢献したものが大であるので、彼の業績と情熱を後世に伝え、全世界の人々に人間の真のせいかつ、社会福祉が行き渡ることを念願し、N.E.バンクミケルセン記念財団を設立した。私は一生涯を真の人間社会実現のために仕事をしたいと思っている。